今回は、前回の展示『山を探す』に遡ってお話してみたいと思います。
『山を探す』は2019年の春、リブロアルテより刊行した写真集です。その発売に合わせ、毎年京都で開催されている写真祭「KG+」に個展という形で出展しました。
会場は長屋を改装したギャラリー「GALLERY35」という場所で、山小屋のような雰囲気も味わえ、奥に長いので作品世界に入り込ませるのも容易く、作品性に合う空間でした。
難しかったのは、写真集ありきの作品をどのように壁面に展開していくか、ということ。どうしたら、写真集を捲るように作品を見せられるだろう…と考えた結果、壁面展示と写真集展示を合わせたものにしました。
写真集のデザインは蛇腹製本になっており、作品のキーとなる山岳信仰を彷彿させる=経典のイメージを具現したものでもあったので、デザインの意図も伝われば…と考えてのことでした。立体的に展示すると蛇腹が山谷のようにも見え、それも面白いなと思っていました。
ただ、振り返ってみると少々盛り込み過ぎたかな…とも。また、このとき個展に足を運んでくださったhypernekoさんの感想にある一文も心のどこかで引っかかっていました。hypernekoさんが寄せてくださった感想はこちらからご覧頂けます。
【写真展/KG+2019】川野恭子「山を探す」@GALLERY 35
hypernekoさんは写真・アートの展示について多数のレビューを書かれていて、緻密だけど飾らない語り口、誰でも理解できる言葉に落とし込んで下さるのが素晴らしいなと。いつも勉強させて頂いてます。
『山を探す』につきましても深く入り込んだ感想を頂いたので、こちらのレビュー記事と合わせて『続 山を探す』をご覧いただくとより深く楽しめると思います。
少し話がそれましたが、前回の反省点を踏まえ「続 山を探す」展においてどのように壁面構成したら写真集に入り込む感覚を味わえるか?ということを模索するうち、表裏の話でもお話した「第二話 あとがき」と「第三話 ステートメント」の構成に行き着くことになるのです。
川野恭子 写真展「続 山を探す」
会 期 2022年1⽉13 ⽇(木)〜 1月27⽇(木)
会 場 CO-CO PHOTO SALON 東京都中央区銀座3丁目11-14 ルート銀座ビル 4F
時間 11:00〜18:30 日曜日定休 (最終日17:00まで)
WEB https://coco-ps.jp/exhibition/2021/07/134/
※ 在廊日時はTwitterなどでお知らせします。